小児科病棟には、先天性疾患を持つ赤ちゃんとその母親、幼児や小学生の患者が入院していました。
腎疾患では、急性腎炎(急性糸球体腎炎: 溶連菌感染)の子ども一番が多く、次いで慢性腎炎(正式な病名は不明)、ネフローゼ症候群は少数でした。
そもそも、腎疾患は腎生検をやらなければ正確な病名(確定診断)はわかりません。しかし、腎生検は施行後の安静などが必須なため、子どもには難しいかもしれませんが、近年では局所麻酔や全身麻酔を駆使するようです(私は成人で経験)。
入院して半年が経過した頃、私は小児科病棟の主(ぬし)になっていました。顔は満月様顔貌でまん丸、身体はバッファロー肩や腹部肥満でパンパン、皮膚は皮膚線条で醜く、入院した頃とは別人でした。
ある日、何故か小学校の友達とその母親がお見舞いに来ました。友達は変わっていないので、私は直ぐにわかりましたが、友達とその母親は変わり果てた私を認識できませんでした。
病室内で、他の入院患者の付き添いの母親に「あちらにいますよ」と言われ、私に近づいて発した言葉は
「まりちゃんじゃない!!」でした。
本人の前で良く言えたものです。いや、私ですけど…
あまりにも変わっていたので、本当に分からなかったのだと思います。
その頃は、小学生なのに成人男性用のパジャマを着ていたのも要因の一つかもしれません。女性用のパジャマでは入らなかったからです。今だったらサイズが豊富なので大丈夫だと思いますが、50年以上前は私に合うサイズの女性用のパジャマはありませんでした。
友達とその母親は、看護師さんにも「あれがまりちゃんですよ」と促されましたが、怪訝な顔で私を見て、直ぐに帰ってしまいました。実話です。
私は、既に、自分の気持ちを表に出さない子どもになっていたので、早く帰ってもらってホッとした記憶があります。
いちいち、つらいことや悲しいことや苦しいことや痛いことに反応していたら精神状態が持ちませんでした。当時は、自分を偽り仮面を被って生きていました。

