ご挨拶
私は、11歳で『一次性ネフローゼ症候群』を発症し、小児科病棟で3年近くの入院生活を送っています。そこでは、小さな命が毎週のように消えていき、病棟中に母親の慟哭が響き渡りました。子供ながらに悲哀と絶望を覚え、今世の人生は諦めようと思ったことを鮮明に覚えています。
『一次性ネフローゼ症候群』は、厚生労働省が指定する難病の一つで(指定難病222)、私の場合、後の腎生検によって「微小変群化型ネフローゼ症候群」と診断されています。また、後年、長期間のステロイド治療による大腿骨頭壊死症のため両側人工股関節置換術も受けています(人工股関節による両下肢機能障害3級)。また、最近では、ステロイドの長期投与による副腎不全状態に悩まされており、すべてにおいて完解状態を保っています。
当時は小学生だったため、さらに昨今のようにインターネットもなかったため、ネフローゼ症候群や腎臓そのものにも何の知識もなかったのですが、2年遅れましたが何とかその後の社会生活(静岡市立城内中学校、静岡県立静岡高等高校)に復帰しました。
しかし、その後、自分の病気や治療その他に対する関心や疑問はどんどん膨らみ、一般企業に勤務していた34歳の時、静岡県立大学大学院の生活科学研究科食品栄養科学専攻博士前期(修士)課程の門をくぐりました。なぜなら、当時、腎臓専門医である医師の究室があり、ぜひともそこで勉強してみたいと強く思ったからです。社会人を経てからの学生生活になりましたが、周りの若い学生さんたち(同級生は干支が同じでした)に助けられ、動物実験や細胞培養などの様々な実験手技や解析方法を身に付けて、その後は浜松医科大学大学院医学系研究科博士課程内科学第一講座に進みました。そこでは、腎臓グループに所属し、透析患者さんの栄養障害とその原因などについての研究に研鑽し、すべてを修了(修士課程2年と医学部の博士課程4年)したのは40歳でした。
以上のような理由で、現在も通院中である病歴50年以上の患者として、また臨床栄養学の研究者として、獲得したすべての経験や知識を皆様に共有させていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

学位および所有資格と主な受賞歴
学位
- 博士(医学)(浜松医科大学2002)
学位論文: Effect of inflammatory substance and growth factors on albumin secretion in primary cultured rat hepatocytes: possible roles for hypoalbuminemia in hemodialysis patients. - 修士(生活栄養科学)(静岡県立大学1998)
学位論文: 血液透析患者における体脂肪量及び分布の変化とその制御に関する研究 - 管理栄養士(1998)
受賞歴
・静岡県知事功労表彰(保健衛生功労)(2021)
