排塩の重要性

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排塩の重要性

塩分の排出を促すミネラルはカリウム、カルシウム、マグネシウムですが、その中で、「カリウム」は体から塩分を排出するミネラルの代表格です。カリウムを多く含む食材は野菜やイモ類、果物、海藻、豆類などです。

ミネラル 働き 補給源となる食品 注意点
カリウム 体内の余分なナトリウムを尿と一緒に排出する 野菜、果物、海藻、豆類 腎機能が低下している場合は、過剰摂取に注意が必要
カルシウム 血圧を下げる効果が期待できる 小魚、干しエビ、牛乳、豆腐 カリウム、マグネシウム、食物繊維と同時に摂取すると相乗効果が期待できる
マグネシウム 血圧を下げる効果が期待できる とうもろこし、オクラ、枝豆、アボカド、わかめ、冷ややっこ

 昨年、日本高血圧学会では、尿ナトカリ比についてのコンセンサスステートメント5)を発表しました。尿ナトカリ比は、食事に含まれる塩分量(ナトリウム)と野菜などに含まれるカリウムのバランスを示す指標です。つまり、食塩摂取量のみでなく、体から塩分を排出する「排塩」に関与するカリウム摂取量にも注目しようという日本高血圧学会の総意です。以下はその要約になります。

尿ナトカリ比の重要性

高血圧との関連

尿ナトカリ比は高血圧や脳心血管病リスクと強く関連し、ナトリウム単独、カリウム単独よりも強い関連性する。

減塩・カリウム摂取の指標

減塩とカリウム摂取量増加の指標となる。
食塩の取りすぎ、カリウム不足は高血圧・心臓病・脳卒中のリスクである。

目標値

至適目標値

平均値2を推奨。これは日本人の食事摂取基準(2020年版)に整合する。

実現可能目標値

平均値4を提案。これは、日本人一般集団の平均値を下回ることを一時的目標にした。

ナトリウム・カリウム比

対象

主に健康な個人が対象である。
特定の疾患を持つ患者には適用されない。

 尚、特定の疾患を持つ患者に関する注意点として
知見不足の観点から疾患を持つ患者さんへの目標値は、まだ科学的な知見が不足しています。そのため、現在設定されている目標値(至適目標2未満、実現可能目標4未満)は、疾患を持つ患者さんには適用されません。
 また、腎機能が低下している場合、カリウムを過剰摂取すると高カリウム血症となり危険な場合があります。カリウム摂取については医師の指示に従う必要があります。
 特定の疾患を持つ患者さんの尿ナトカリ比については、かかりつけの医師に相談し、個別の指導を受けることが大切です。

測定方法

推奨される測定方法

信頼性の高い個人推定値を得るため、週に4日以上、異なる時間帯に採取した随時尿の平均値を取る。

留意点

個人内で日中および日によって変動が大きい指標であることを留意する。
健診で単回随時尿を使用する場合、起床後第2尿(午前9時頃)が望ましい可能性がある。
単回随時尿の適切な評価方法は研究中である。

活用と期待

保健指導

健診時の随時尿ナトカリ比測定と保健指導の併用は、減塩や血圧コントロールに有効な可能性がある。

簡便な測定

全国の健診機関や医療機関で安価かつ容易に測定可能である。

予防への貢献

高血圧、脳卒中、心臓病、腎臓病の予防に活用を期待する。
とされています。

参考文献その他

5) Practical use and target value of urine sodium-to-potassium ratio in assessment of hypertension risk for Japanese: Consensus Statement by the Japanese Society of Hypertension Working Group on Urine Sodium-to-Potassium Ratio. Hypertension research: official journal of the Japanese Society of Hypertension. 2024 Dec;47(12);3288-3302